存在する

全身の細胞が振動しながら澄んだ液体で満たされてゆく

呼吸も足音も聞こえているのにまるで人のようでなく
植物、鉱物、水や炎や光のような存在

永遠にみていたい
生きるとはこういうことか
こういう風に生きたい

芸術行為の持つ美しさ、神々しさ

生き物も音も色も空間もすべてが等しく在る

命を吹き込まれる
生きていける

 

勅使川原三郎×山下洋輔 『up』

音楽がなかったら

音楽の生まれる瞬間に立ち会える映画

自分にとっての音楽を
言葉なしに説明してくれる映画

自分がどんなに
音楽が好きかがわかる映画

船を出せ!
音楽にのって遠くへ行こう!

 

『シング・ストリート 未来へのうた』

ふたりのひとり

ひとりでいると
相手を探せと言われる
ふたりでいると
いちゃいちゃするなと言われる

怖いね、笑っちゃう!
自由でいたいなら当事者になるんだ
自分の足で歩く
行く先は自分で決める
そこで見たものは私のもの

自由という不自由からも自由でいる自由
を求めた先に
真の孤独があるのだろうか?

本当の
ひとりになることが
できるのだろうか?

 

『ロブスター』

隣人

扉を開けよう、
見知らぬ人の訪問でも。
話を聞こう、
聞き慣れない言葉でも。

やってみよう、
やり方がわからなくても。
会いに行こう、
待っていないかもしれなくても。

わからなかったら聞いてみよう。
わからなかったら見に行こう。

きっと教えてくれる人がいる。
きっと待っていてくれる人がいる。

 

『アスファルト』

聞こえる音

「聞こえる – hear」ではなく「聞く – listen」。

聞こえる私は聞いたことのある音でリズムをとる。
自分の不自由さに愕然とする。

スクリーンの中から音が聞こえてくる。
風の音、波の音、地響き。
思わず自分の脈をとる。
拍動が聞こえる。

聞く人達は伝える人達。
聞く人達は表現する人達。
聞く人達は自由な人達。

聞こえることに甘えていないか。

 

『LISTEN』

usual life

usual lifeってなんだろう?
どんな生活が、どんな人生がusualなんだろう?

何が起こっても、それで何かが変わったとしても
(たとえその「何か」がそれまでの生活や人生でも)
きっとそれがいつでも自分にとってのusual lifeなんだと思った。
そしてusual lifeはこの世に生きる人の数だけあるのだと。
誰かが決めた、誰かの提示するusual lifeなんてなくて
生きている私がusual lifeだ。

どんな風に生きていても、辛くても楽しくても、ここにいていいんだ。
それは私にとって大きな救いになる。

 

『恋人たち』

私のみる世界

思い浮かべる景色が私を世界へ連れ出す
見えることにどれほどの意味があるだろう
見えないことをどれほど感じられるだろう

見えない世界を見たいと思うのは傲慢だろうか
見えている世界を信じないのは愚かだろうか

私の発した音が見知らぬ世界に反響するとき
私は私が何者であるかを知る
そうして私も誰かの見知らぬ世界であるといい

 

『イマジン』

信じるもの

誰にも裁くことはできない
たとえそれが取り返しのつかない行いだとしても
裁くことはできない 神にも?
彼は神を信じているのか

彼も神を信じていたのか
本当に信じていたなら苦しむことはなかっただろう
少しの疑いもなく神を信じる者と対峙した時
信心も共に戦わざるをえないのか?
信じる心を裁くことは誰にもできない 神にも

戦場では悲鳴しか聞こえない
誰も耳をふさぐことはできない

 

『アメリカン・スナイパー』

岡村靖幸と人生の場数と80sの子供

岡村靖幸が苦手だった。
むきだしな感じがして怖かったからだと思う。
彼についてはほとんど知らない。
マスコミに流れたことの他には。
とても才能のある人としてデビューしたこと、
大胆な言葉で歌って踊ること、
ちょっとしたスキャンダル。

明るく華やかに意地っ張りでいられた80年代。
今は誰でも簡単にシリアスになって、意地を張るのも命がけ。

手元にパーソナルコンピューターなんて置けるようになったから
ファンじゃなくてもちょっと調べれば顔も歌も確認できる。
知った気でいることは本当に怖い。

岡村靖幸のことは何も知らないけど、
1人のミュージシャンがずっと音楽をつくり続けてることに
こんな風に感動するとは思ってもみなかった。
彼が今も歌って踊る人として認識されてるのが
ヒトごとながらうれしい。

 

『Peach どんなことをしてほしいのぼくに』

コンバンワとThomは言った

気づいたら
RADIOHEADのアルバムを20年ほども買っていないのだった。
「OK Computer」を聴いた時に
なんか変わっちゃったなと思って離れてしまった。
「KID A」は通して聴いた覚えがない。
その後あまりにあっさりと聴かずにきてしまった。
新しいアルバムが出る度に話題になっていたのに。

今年のSUMMER SONICはRADIOHEADを聴きに行きたいと思った。
私の知ってる曲はひとつも演奏しないだろうと覚悟していた。
なぜかそれでもいいと思った。

久しぶりのRADIOHEADのステージは圧巻だった。
一等良いライヴバンド。
スタジアムにいるのに
まるでひとりで聴いているみたいに満たされていて
とても気分がよかった。

曲の合間でThomが コンバンワ と言った。
突然胸に込み上げてくるものがあって泣きそうになった。
ああ、彼らも私も年とったなあと思った。
20年は長い。

CreepはやらなくていいけどStreet Spiritが聴きたいな、
でもきっとやらないだろうと思っていた。
思った通り私が今でもよく聴いてる曲はNo Surprisesくらいで
メンバーが袖に引っ込んだ。

アンコールの流れでもまさかCreepをやるとは思わなかった。
“I wish I was special”の大合唱を聞きながら
RADIOHEADは大人になったなと思った。
20年がリアルに感じられた。

最後にStreet Spiritの演奏が始まった時
生きててよかったと思った。
私の20年。

タイムマシンがなくても時間は行き来できる。
変わらないものなど何もないから生きててよかったと思える。

 

RADIOHEAD/SUMMER SONIC 2016